事務局としては、まず「ありたい姿」の設定から始めます。組織の「ありたい姿」は、単なる理想像ではありません。組織の「らしさ」を活かしながら、地に足が着いた形で、実現可能性も踏まえつつ、段階的に描く必要があります。結果として、経営戦略の実現に向けて、多くの社員が共感できる具体的な姿になることが大切です。
なぜ「ありたい姿」の設定が重要か
- 組織変革の方向性の明確化
- 施策展開の判断軸としての機能
- 進捗を確認する上でのの基準資料としての役割
「ありたい姿」設定のプロセス
STEP
経営戦略との整合性確認
- 中期経営計画・事業戦略上の重要課題の把握と連動
- 経営層のサポート体制の確認
- 言語化しにくい、文章化されていない経営ニーズの確認
STEP
感覚的な現状把握
- 事務局メンバーが現状に対するざっくばらんな意見を出しながら、現状を簡易的に共有
- 付箋紙に書き出し、貼っていきながら整理する方法等、様々な手法を活用しながら、「誰かの意見に引っ張られない」ように意見を出してもらうことが肝要
- 事務局メンバーには年代差・階級差がある場合が多いので、肩書きを忘れて、フラットに意見を出せるように進める。
STEP
「らしさ」(根底にある会社・組織の価値観)の言語化
- 組織の強みと特徴の整理
- 大切にしたい価値観の確認
- 継承すべき組織文化の特定
STEP
ありたい姿の具体化
- STEP2,3を踏まえつつ、組織の風土・人材としてのありたい姿を整理する。
- キレイな絵姿にすることにはこだわらず、「事務局メンバーが納得できるありたい姿」を目指す。
- 結果的に、組織風土や人の意識がありたい姿の状態になると、どのような業績への影響が期待できるかまで書くことが望ましい。
STEP
全社での共有と対話
- STEP4までの議論をまとめる。まとめる際に、手作り感を残した資料が好ましいか、デザイナー等に整理してもらった方が好ましいかは社風による。伝わる形を目指す作業が必要。
- 「ありたい姿」について、参加希望者との対話会や、Webを通じた社内パブリックコメントを設けることで、必要に応じて修正する。
ありたい姿の設定がうまくいくポイント
- 経営戦略との一貫性確保
- 段階的かつ具体的であること
- 現場が共感できる表現を用いていること
- 組織のらしさを無視した、飛躍した姿になっていないこと
- 風土や人材の変化がどう業績につながるかの「推定」まで明記していること
ありたい姿を描く過程で見過ごしやすい「落とし穴」
- 誰もがに合わせようとして、抽象的な表現に落ち着いてしまう。
- デザインにこだわりすぎて、実感からかけ離れた絵姿に落ち着いてしまう。
- 組織の悪い部分にフォーカスを当てた議論をしすぎて、ネガティブなありたい姿になってしまう。
- 「昔のよかったころ」に引き戻す議論が中心になってしまい、社会の変化を無視した「ありたい姿」を描いてしまう。
- 事務局メンバー以外の多くのメンバーの声を聞きすぎて、議論が発散してしまい、時間がかかる。
ありたい姿構成における弊社の役割
- 検討プロセスの設計
- どういう手順で設計を進めることが、貴社の実情に合うか、他社事例も踏まえつつ検討
- ありたい姿を検討する場の設計
- どういう場が理想的かの提案(社内or社外、必要時間、議論手法など)
- 事務局メンバーで議論する場としつつ、オブザーバー・アドバイザーが必要かどうかの検討
- 議論のファシリテーション
- 具体化・言語化サポート
- 抽象的な議論の具体化
- 組織の「らしさ」の言語化
- 経営戦略との整合性確認
- 共有・浸透プロセスのサポート
- 全社共有の進め方
- ありたい姿のプロフェッショナルデザイン委託