施策を準備し、取り組みが開始されたあと、重要になるのは施策の進捗状況モニタリングです。モニタリングは、必ずしも「監視」の意図で行うわけではなく、各所で行われている取り組みのよいところを共有することや、到達レベルを見えるようにすることで、施策の有効性を実感してもらうためにおこないます。
様々な理由でモニタリングがおろそかになることもあります。モニタリングを丁寧におこなえるかどうかも風土改革においては極めて重要な役割を果たします。
モニタリングが必要な理由
- 組織風土改革の形骸化防止
- 施策を進めていく上で、推進者が感じている問題点を早期に把握する
- 成果の可視化による動機付け
- 施策の継続的な改善
- 将来の自走化に向けた基盤づくり
プロセス
STEP
モニタリング種別を定義する
- モニタリングを種別化する。当社では、年次モニタリング・中間モニタリング・スポットモニタリングの3つのモニタリングの仕組みを設定することを推奨。
- モニタリング頻度の決定
STEP
年次モニタリングの設計
- 施策の取り組み状況の全社的な報告会
- 従業員意識調査(エンゲージメント調査)
- 優秀施策取り組みの褒賞など
- モニタリング結果の社内報等でのフィードバック
STEP
中間モニタリングの設計
- 施策の取り組み状況の中間報告会(大企業では本部別)または中間報告書の提出
- 中間時点で優秀施策と思われるものの水平展開
- 施策を進めていく上で気になる点の共有会
- 数値化できる施策は、達成度の確認
STEP
スポットモニタリングの設計
- 日常的な事務局と推進リーダー、部門長等とのやりとりから感じられる定性情報の収集
モニタリングが効果的にできるポイント
- シンプルで継続可能な指標や帳票の設定
- 現場の負荷を考慮した仕組みづくり
- 成功体験の共有と賞賛の場の設定
- 経営層の継続的な関与
- 次世代リーダーを育成する視点でのモニタリング
モニタリングにおいて、よく起きる問題
- 小さな成果に対する評価を経営陣は過小評価する傾向にあり、現場は過大評価する傾向にあるため、やる気を削がないように気をつける。
- モニタリングの精度にこだわるあまり、事務局などのコアメンバーの負荷が過剰になり、作業一つひとつの品質が下がってしまう。
- モニタリング結果のフィードバックをこまめにおこなわないことで、社員一人ひとりが進捗を感じにくくなり、形骸化につながってしまう。
支援(コンサル)の役割
- 仕組みの設計
- 効果的な指標の設定支援
- モニタリング手法の確立
- フィードバックの仕組み構築
- 改善サイクルの設計
- 実行支援
- データ分析と解釈
- 改善策の提案
- 好事例の抽出支援
- 課題への対応アドバイス
- 経営層対応
- モニタリング結果の定期的な報告
- 中長期的な展望の提示
- 経営層として、その時点でお願いしたいことの共有